2026-09-08 / OOTD編集部 / 法事 / 法要 / 平服 / 一周忌 / 三回忌 / 略喪服 / 冠婚葬祭
法事の「平服」は普段着でいい?一周忌・三回忌で迷わない服装
一周忌や三回忌の連絡に『平服でお越しください』とあると、黒い喪服では重過ぎるのか、普段のニットとパンツでよいのか迷います。辞書どおりの『普段着』だけで考えると、家族が意図した温度感とずれることがあります。
法事の平服に全国共通の一組はありません。 寺院の公式案内にも、三回忌まで礼服を勧める例、少人数なら平服可とする例、年回忌を普段の外出着でよいとする例があります。回忌だけで自動決定せず、①施主の言葉、②寺院・地域、③自分の立場、④会場の順でそろえます。
この記事の範囲
日本の仏式の年忌法要・法事を主に想定します。一周忌は亡くなって満1年、三回忌は亡くなった年を1回目と数えるため満2年後に行うのが一般的です。宗派、地域、寺院、家、施主、会場により服装・念珠・供物等は異なります。神式の年祭、キリスト教式、納骨式、葬儀・通夜は個別の案内を優先してください。
Quick Answer|『平服』は、施主が決めた範囲の控えめな外出着
- 最優先: 案内状・家族連絡の『喪服』『平服』『普段着』『黒でなくてよい』を別の指示として読みます。
- 迷う平服: 黒、濃紺、チャコール等の無地に近いセットアップ、ワンピース、襟付きシャツ+スラックス等から始めます。
- 一周忌・三回忌: 回忌だけで礼服必須とは断定できません。施主と寺院へ、参列者がどの程度そろえるか確認します。
- 会場: 寺・自宅は靴を脱ぐ可能性、墓地は歩行と天候、会食は座り時間と温度を考えます。
- 確認文: 『平服は、濃紺のスーツ/チャコールのセットアップ程度でよいでしょうか』と一組を示して聞きます。

平服でも全員が同じ黒である必要はありません。家族内で濃色・無地・控えめという幅を共有すると、そろい過ぎず、ばらつき過ぎません。
最初に確認|法事・法要と回忌の数え方
一般に、僧侶による読経等の儀式を『法要』、会食等も含む集まりを『法事』と呼ぶことがあります。一周忌は没後満1年、三回忌は没年を1回目と数えるため満2年後、七回忌は満6年後です。
回忌が進むほど服装を軽くする考え方はありますが、切替時期は全国一律ではありません。三宝寺の公式FAQは、喪服を着る期間が四十九日、百か日、一周忌、三回忌等、地域によってばらばらだと説明しています。
同じ『平服』でも幅がある|寺院公式案内の例
| 案内元 | 平服・礼服の考え方 | 読み取れること | そのまま全国化しないこと |
|---|---|---|---|
| 真宗大谷派 三宝寺 | 少人数の身内は平服が増加。親戚関係により喪服が望ましい場合も | 家と親族の合意を重視 | 平服なら常に可 |
| 八事山興正寺 | 三回忌までは礼服を勧め、年月後は地味でラフでない平服 | 回忌を一つの目安にする例 | 三回忌まで全国必須 |
| 真宗大谷派 西念寺 | 年回忌法要は平服、普段の外出着で可 | 寺院が具体的に緩める例 | 部屋着やレジャー着も可 |
| 大谷本廟 | 特に決まりはなく、派手でない平服で可 | 喪服・私服の来訪者がいる施設例 | 所属寺の法事も同じ条件 |
| JA葬祭センター例 | 遺族は三回忌まで喪服、後の回忌で略式・平服へ | 葬祭実務で使われる目安 | 家・寺院の指示より上位 |
| 神社本庁(神式) | 一年祭後はダークスーツ等、年数とともに平服へ | 神式には別の節目がある | 仏式法要へそのまま転用 |
服を決める4つの情報
1. 施主の言葉
喪服、平服、普段着、色指定を区別。電話や家族チャットの具体的な補足も含めます。
2. 寺院・地域
所属寺の案内と家の過去例を確認。別寺院のネット記事を、自家の絶対ルールにしません。
3. 立場
施主・近親者か、招かれた親族・知人か。自分だけ格式を上げ下げせず、参列者の幅をそろえます。
4. 会場
寺、自宅、墓地、会館、会食。靴を脱ぐ、歩く、座る、移動する条件を服と靴へ反映します。
一周忌・三回忌の平服|まず作る一組
スーツ・セットアップ
黒、濃紺、チャコール等の無地に近いジャケットとパンツ、またはスカートを土台にします。仕事用でも、光沢の強い生地、大きな柄、目立つ金具を避け、サイズと清潔感を整えれば使える場合があります。黒いビジネススーツが自動的に喪服と同格になるわけではありませんが、『平服』の候補にはなります。
ワンピースと羽織り
濃色のシンプルなワンピースに、カーディガンまたは柔らかいジャケットを重ねます。寺や自宅で立つ・座る、会食で長く座る動作を試し、胸元、袖、裾が頻繁に気にならない形にします。
襟付きシャツとスラックス
寺院側が『普段の外出着』『華美でない服』まで具体的に認めている場合、白・淡色・濃色の襟付きシャツや落ち着いたニット+濃色スラックスも候補です。施主・近親者が礼服でそろえる場へ、自己判断でここまで崩さないよう確認します。

服の色だけでなく、靴を脱いだ後、畳と椅子、墓地までの移動を考えます。正座が必須とは限らないため、座席の確認も有効です。
会場別|服装で困りやすい場所
| 会場・動線 | 服装の優先 | 靴・足元 | 事前確認 |
|---|---|---|---|
| 寺院本堂 | 上着を脱いでも整う、温度調整 | 脱ぎ履きしやすく、清潔な靴下・ストッキング | 土足、椅子・畳、階段、空調 |
| 自宅 | 狭い場所で動け、裾やバッグが当たらない | 玄関で混ざらない靴、傷みのない靴下 | 座布団・椅子、手伝い、荷物置場 |
| 墓地 | 風、雨、暑さ・寒さに重ね着 | 砂利・坂・濡れた石で安定する低い靴 | 徒歩距離、雨天、日よけ、送迎 |
| 葬祭会館 | 施主側の服装に合わせやすい濃色セット | 閉じた低い靴 | クローク、室温、移動 |
| ホテル・料亭で会食 | 座って苦しくなく、食事中も端正 | 会場の床と入口に合う靴 | 法要から直行か、個室・座敷か |
| 寺+墓地+会食 | 一組のまま羽織りと雨具で調整 | 歩ける靴を最優先 | 全行程、車移動、着替え場所 |
靴・靴下・バッグは、脱いだ後まで見る
靴
黒または濃色のプレーンな革靴、低く安定したパンプス等が合わせやすい候補です。墓地の砂利や階段を歩くなら、細いヒールより安定性を優先します。スニーカー可否は『平服』の幅と身体事情を施主へ確認します。必要な補助靴は無理に隠しません。
靴下・ストッキング
寺・自宅で靴を脱ぐ可能性があります。穴、毛玉、派手な柄、左右違いを前日に確認し、予備を一組持つと移動時の濡れにも対応できます。宗派や会場によって素足を避ける案内があるため、夏も確認します。
バッグ
黒だけでなく、濃紺・チャコール等の小さく控えめなバッグも、施主が平服を指定した場では候補になります。大きなロゴ、光る金具、音の出る飾りを避け、念珠、ハンカチ、案内、必要な薬等が収まる寸法にします。
念珠は宗派と本人の習慣を確認する
仏式法要では念珠を持参する案内がありますが、形や扱いは宗派で異なります。所属寺または家族へ確認し、分からないからと装飾的な物を急いで選びません。自分の念珠がある場合は、房を整え、念珠袋に収まるか確認します。
神式の年祭では数珠を使いません。神社本庁の案内にも神葬祭独自の作法と服装があります。『法事』という日常語だけで仏式と決めず、案内の儀式名と会場を読みます。
施主側は『平服』の幅を一文足す
抽象語だけにしない
『平服で』だけでなく、『黒・濃紺・グレー等の落ち着いた外出着で、喪服でなくて構いません』のように色と格式を一文足すと、参列者の不安を減らせます。スニーカー、子どもの服、身体事情への配慮も必要なら併記します。
家族内の基準を先にそろえる
施主だけ喪服、他の近親者は明るい普段着という差を避けたいなら、家族チャットで代表例を一組共有します。全員同じ服にする必要はありません。濃色、無地、ジャケット任意等、幅を共有します。
会食と墓参を含めて伝える
『寺で法要後、墓地へ徒歩移動し、座敷で会食』まで分かれば、参列者は細いヒールや脱ぎにくい靴を避けられます。服装案内は格式だけでなく、一日の動線を伝える実務情報です。
参列者が確認する時の短い言い方
平服の程度
『平服は、濃紺のスーツ程度でよいでしょうか。皆さまは喪服でそろえますか』と聞きます。『何を着ればいい?』より答えやすく、格式差も確認できます。
会場と靴
『お寺では靴を脱ぎますか。法要後に墓地へ歩きますか』と聞けば、靴、靴下、雨具を一度に決められます。足腰に事情があれば椅子席も早めに相談します。
子ども・身体事情
『学校制服でよいですか』『補助具に合う黒いスニーカーでもよいですか』のように具体的に確認します。服装の形式より、安全に参列できることを優先し、施主側も選択肢を示します。
前日までの15項目
- 案内が喪服、平服、普段着、色指定のどれか確認した。
- 施主・近親者と一般参列者の服装の幅を確認した。
- 所属寺・地域・家の過去例を確認した。
- 一周忌・三回忌という回忌だけで自動決定していない。
- 黒・濃紺・チャコール等の控えめな一組を作った。
- 柄、光沢、金具、ロゴ、露出が目立たない。
- 立つ、座る、合掌する、食事する動作ができる。
- 寺・自宅で靴を脱ぐか確認した。
- 靴下・ストッキングに穴や毛玉がない。
- 墓地までの距離、砂利、坂、天候を確認した。
- 靴は低く安定し、脱ぎ履きできる。
- 会食会場が椅子か座敷か確認した。
- 仏式か神式か、念珠が必要か確認した。
- バッグに大きなロゴや音の出る飾りがない。
- 迷う一点は、具体的な服装案を示して施主へ確認した。
よくある質問
Q. 法事の『平服』は普段着でよいですか?
A. 部屋着やレジャー着と同義とは限りません。黒・濃紺・チャコール等の控えめな外出着、スーツ、セットアップ等を指す場合があります。施主と寺院の具体的な案内を確認します。
Q. 一周忌は平服でもよいですか?
A. 寺院・地域・家族で異なります。一周忌に礼服をそろえる例も、寺院が平服を認める例もあります。案内が曖昧なら、濃紺のスーツ等の具体案で施主へ確認します。
Q. 三回忌は喪服を着るべきですか?
A. 三回忌まで礼服を勧める寺院・葬祭案内はありますが、全国共通の絶対ルールではありません。少人数・所属寺の方針・家族の意向・参列者のそろい方を優先します。
Q. 三回忌は亡くなって3年後ですか?
A. 一般に、亡くなった年を1回目と数えるため、三回忌は満2年後です。一周忌は亡くなって満1年後です。日程は所属寺と家族で確認してください。
Q. 法事の平服に黒以外を着てもよいですか?
A. 施主の案内が平服なら、濃紺やチャコール等の控えめな無地も候補です。家族が黒でそろえる場合や寺院・地域の慣習がある場合は合わせます。
Q. 法事にスニーカーで行ってもよいですか?
A. 平服の幅、会場、身体事情で異なります。墓地の砂利や長い移動では安全性が重要です。黒・濃色の清潔なスニーカー等が必要なら、施主へ具体的に確認します。
Q. 寺で法事をする時は正座が必要ですか?
A. 寺院や会場により、椅子席、畳、座布団等が異なります。正座を前提に服を選ばず、座席と身体事情を事前に寺院・施主へ相談します。
Q. 法事には数珠が必要ですか?
A. 仏式では持参を案内する寺院がありますが、宗派で形や扱いが異なります。所属寺・家族へ確認します。神式の年祭では数珠を使いません。
法事の平服は、マナー本の一行ではなく、家族が同じ場へ集まるための合意です。
施主の言葉、寺院・地域、立場、会場の順に確認し、濃色の一組を具体的に示して聞く。それなら、一周忌でも三回忌でも『自分だけ違った』を減らせます。
参考資料
- 真宗大谷派 三宝寺「法事の服装はどうしたらいいですか?」
- 八事山興正寺「法要・廻向の際の服装」
- 真宗大谷派 西念寺「年回忌法要」
- 大谷本廟「よくあるご質問・服装」
- 浄土真宗本願寺派 正宣寺「年忌法要」
- JA葬祭センター「法要スケジュール・服装」
- 神社本庁「神葬祭に参列する際の服装」
- 浄土真宗本願寺派「平服の具体例・素足不可の案内例」
資料は2026-09-08に確認しました。年回忌の数え方、法事の平服・礼服の幅、三回忌までを目安にする例と平服を認める例、寺院・自宅・墓地等の実務、仏式と神式の違いを寺院・宗派・神社本庁・葬祭事業者の公式案内から整理しました。寺院間でも服装方針が異なるため、回忌表を全国共通ルールにせず、施主と所属寺の最新案内を優先してください。